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子どもの頃から始める矯正治療の必要性について(前編)
子どもの頃から始める矯正治療の必要性について(前編)

矯正治療はいつから始めるべき?

ご姉妹で京都にてそれぞれ矯正専門医としてご活躍されている松井恭子先生と冨井明子先生。同じ京都市内であっても異なる地域で矯正治療にたずさわりたどり着いた「子どものうちから始める矯正治療の大事さ」とは。子どものときから矯正を始める意味、そして実際にどのような治療をされているのか。ご姉妹だからこそ話せる本音を和気あいあいと語っていただきました。

開業されてからどういう矯正治療をされてきましたか?

恭子先生:
京都の左京区という住宅が多い土地柄なのか、開業当初から患者さんのほとんどが子どもでした。今まで大人の矯正治療ばかり関わってきたので、最初はとても悩みました。大人の歯が生え揃ってから歯に固定するタイプの、一般的に皆さんが想像される矯正装置だけでは「歯ならびがわるくなった原因」へ十分にアプローチができません。そこにもどかしさは感じていました。

明子先生:
私は同じ京都市内でも右京区で開業しましたが、恭子先生とは逆に最初は大人の矯正治療で来院される方がほとんどでした。そんな中で意識が変わったきっかけは自分の子育てでしたね。自分の子どもを育てていく中で、大人の歯に生えそろう前に、子どものころから横で伴走してあげられる治療ができれば、もう少し矯正治療というものが変わるかもしれないのかなって。

恭子先生:
子どものタイミングだからこそ、できる治療があります。「ここがわるいから治そう」という治療じゃなくて「そもそも何故ここがわるくなったのか」という、根本的な原因から事前にアプローチができたら、そもそも大変な治療が必要なほどわるくならないように軌道修正してあげられるじゃないですか。歯ならびの原因、例えば口が閉じられないなら口を閉じられるように、舌の位置がわるいなら正しい位置に、こうしたことにアプローチできる時期が子どもなのです。

明子先生:
そう。みんな前歯がガタガタだと、そのガタガタになっている部分が気になりますよね。でも、それよりもガタガタな歯を基軸にしてあごの成長方向がずれていくことのほうが問題です。恭子先生の言うように、早く軌道修正をしてあげることが大切なのです。

子ども矯正治療をすることは、根本的な問題から着手することができるということでしょうか?

明子先生:
そうですね。大人の矯正治療では、すでにできあがっている自分の身体の枠に合わせて正しい咬み合わせを作ります。一方で子どもの矯正治療は、成長期に行うのでその枠組みから触ることができます。大人の歯がきちんと生えてくるための土台作りから関わることができるのですね。畑だって良い作物が出来るためには、しっかり土から育てていく必要があるじゃないですか。

恭子先生:
すごい例えだね(笑)。

明子先生:
だって、患者さんにはわかりやすく伝えないといけないし(笑)。なので私は普段、患者さんには子どもの時期の矯正治療は、歯ならびそのものを綺麗にするのではなく、正しい位置に歯が生えてくるようにお口を育てる時期だとお伝えしています。

恭子先生:
人間の身体って、わるく育つように作られているわけではないと思っています。でも成長していく中で、色々な事情があってどうしても上手く発育することができなくなってしまう。近年よく言われているのが、口腔機能発達不全症です。この「つまずき」をなるべく早く見つけて軌道修正してあげる。それによって、後々の成長の多くがうまくいく。そこに関わって、十分に発達できる状況に戻してあげるのが小児矯正だと考えています。

明子先生:
でも、その根本的な原因からのアプローチだって簡単ではありません。歯に固定するブラケット装置や、他にもたくさんの装置を使うことになります。そこにかけるお子さんの労力は大変なものです。当然、来院している子は楽しくなさそうですし、歯科医師としてはもちろん、自分の子どもがこの治療をするならかわいそうだなと思っていました。そこで出会ったのが、短時間装着するタイプの機能的マウスピース矯正装置です。当院では特に今はプレオルソという装置をよく使っています。(後編に続く)

この記事を書いた人
松井 恭子先生/きょうこ歯科・矯正歯科(京都市)
経歴:大阪歯科大学卒業、日本矯正歯科学会認定医、日本矯正歯科学会 会員、近畿東海矯正歯科学会 会員
きょうこ歯科・矯正歯科(https://www.kyoko-dental-office.com/
冨井 明子先生/トミイ歯科・矯正歯科(京都市)
経歴:大阪歯科大学卒業、日本矯正歯科学会認定医、日本矯正歯科学会 会員、近畿東海矯正歯科学会 会員
トミイ歯科・矯正歯科(https://www.tomiidentaloffice.jp/)